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ご家庭で作る失敗しないガトーショコラの作り方

2021.08.25

皆様こんにちは
チョコレートな関係マスターシェフの宍戸です。
 
今日はガトーショコラをご家庭で作られる際ポイントを自身の経験の中で
いくつかアドバイス出来たらなと思います。
 
私自身13年間向き合ったガトーショコラ作りですがとても奥が深く、
まだまだ研究を続けている最中です。
 
ガトーショコラは温度と乳化が全てといっても過言でないくらい
それぞれの工程ごとにポイントがあります。
 
卵黄と卵白を分けて作る別立て製法のガトーショコラと
卵黄と卵白を分けないで作る共立て製法のテリーヌショコラ
(それぞれの製法後の違いはカットした断面でも違いますし、硬さや味も異なります)
 
世の中には沢山のレシピが存在してますので
その中でいろいろ試されながら素材の取り扱いをマスター出来たら良いですね。
 
材料レシピが全てではなくその材料に合った製法というのが最も重要。
 

1. 器具や道具の扱い方

水分はついてない状態で器具類を用意しましょう。
 

2. チョコレートの溶かし方

50度の湯煎(湯気が出るくらい)で溶かすのがベストです。形が残っている状態で混ぜると香りに影響出ますので8割がた溶けた状態で混ぜましょう。
※ガスの火が付いたままで溶かすやり方はおすすめしません。
 

3. バターの溶かし方

溶けやすいよう常温に出しておきましょう、カットして湯煎にかけると早く溶けやすいです。チョコレートとバターを同じ器具内で一緒に溶かすやり方は乳化しにくくなりますのでおすすめ致しませんので別々に溶かしてください。
また注意してもらいたい点が溶かしすぎということ、長い間湯煎してしまうと分離しますのでご注意ください。
 

4. 温度管理とスピード感

適正の温度を保ちながら素材を合わせていくのが基本的な流れです。
この時、時間をあけないようにしてください。
その為にはそれぞれの条件をあらかじめ知っておくことが大事です。

A. 溶かした50度のチョコレート

 
B. 溶かした50度のバター(2~3回に分けて)
※ここまでは泡立て器を使って良いです。

 
C. 混ぜ合わせた卵黄(2~3回に分けて)
この時点で卵黄を混ぜ合わせた時の温度は28~30度がベスト
 
卵黄には乳化しやすくなるレシチンが含まれています。
最終的にここでの乳化具合で味に差がでますのでしっかり混ぜましょう。
※ここでは泡立て器は禁止です。卵のコシが切れてしまうため、
ゴムベラで混ぜ合わせてください。
 
※生クリームを入れる場合はここで入れてください。
※右利きの方ですと時計回り、左利きの方ですと反時計回りで円を描くように混ぜるが大半と思いますが、それだけですと混ざりきらないこともありますので縦を切るようにゴムベラを入れるのもおすすめです。


D.メレンゲ
チョコレートが溶けてからDのメレンゲの合わせまでの目安時間は40~50分
※当店の場合ですと20~30分
 

メレンゲの泡立て方

泡立てる20分~30分前には卵白を冷蔵庫から出しましょう。
卵は割ってしまうと、時間の経過と共に状態がどんどん変わっていきます。
 
この時、手動で泡立てる場合は卵白だけで泡立てながら空気を含ませてから
数回に分けて砂糖を加えていく形が良いです。
(最初から砂糖を入れてしまうと粘りが発生し、生地に悪影響を及ぼすことになります。)
 
ハンドミキサーで泡立てる場合は手動よりもスピードのある機械のほうが卵白が空気に
触れ、タンパク質の変性が進み生地がボソボソになってしまう為、泡立てる前に
砂糖を全部加えましょう。
 
『メレンゲの止め具合は六分がおすすめですが
場合によっては八分までは範囲内です。』


上記の文を更に補足しますと
メレンゲの立て具合はカカオの含有量によって変わります。
70%以上(ハイカカオ)70%以下とそれぞれ作られる人によって
使うチョコレートが違いますね。
 
チョコレートはカカオ、カカオバター、砂糖の量によって%が変わります。
ハイカカオでガトーショコラを作られる場合は8分立てにして混ぜると
チョコの風味が強く出て生地もしっとりした形になります。
 
あとは作られる方のお好みを幾度となく作りながらお試しください。
 
メレンゲが完成するまでの間、チョコが入ったボウルの温度帯にも目を向けましょう。
ここでチョコの温度が低すぎると混ぜた時にもさり、残念ながらそれでゲームオーバーとなってしますので湯煎に当てたり、外したりと目を配りながら温度を保ちましょう。
 
一般的にこの工程が一番難しいと感じる方が多いではないでしょうか。
白身のコシを切らずに混ぜきるのがポイントで、ある程度スピードも求められます。
 
ネット等で手作りガトーショコラを度々見かけますが、止めどころがわからないせいか
混ぜすぎというのが多いです。
 
混ぜすぎるとどうなるか?といいますと
卵のコシが切れると焼き上がりの生地に硬さが強い甘さが出ます。
 
※余談ですがガトーショコラとは違いますがフィナンシェなどは数日置いて水溶化した卵白のほうが作るのには向いてます。
 
 
※小麦粉を入れるレシピはここで数回に分けて混ぜてください。
 
 

5.室温と湿度

ガトーショコラ作りに最も適した温度は21~23度
湿度は45~65%
それ以外だと何がダメなのかと言いますとメレンゲがまず立ちにくい状況になります。
メレンゲが立たない時点で諦めてしまうと、これもまた固い生地になってしますので根気よく泡立ててください。
 

6. 乳化 

おさらい
チョコレート+バターの乳化、チョコレートバター+卵黄の乳化、チョコレートバター+卵黄+生クリームの乳化とそれぞれに乳化がありますが乳化させるには温度が重要となりますのでそこを気にするようにしてください。
 
特に卵黄の乳化が美味しさの決め手となります。
 
 

7. 卵黄の立て方

目で見て分かりにくいのが砂糖の溶け具合。
思っている以上に溶けないため、まずは完全に砂糖を
混ぜきってから、湯煎に数十秒当て砂糖を溶かし切ってから
白っぽくなるまで泡立ててください。
 
 
 

8. オーブンについて

レシピ本を見ても温度は載っていても
どのオーブンを使用したまでは書いてない事が多いですね。
自身も様々なオーブンで経験を重ねてきましたがそのオーブンによっては
仕上がりが全然違いましたね。
今回はご家庭との事で電気オーブンが多そうな気がしますので
少しばかりですがアドバイスを。
 
レシピに書いてある温度はとりあえず無視してください。
 
これは一発では上手くいかないかもしれないですが、ガトーショコラをフラット(平ら)に焼ける温度をそれぞれのご家庭で探してみてください。
 
ときにレシピ本は間違った情報も沢山ありますので。
 
焼き終わりに割れているガトーショコラを見たことはございませんか?
それは高温で焼きすぎているからです。
割るのが正しいかは割らないのが正解は食べ比べてみれば伝わるかなと思います。
 
その温度を見つけた方はある意味勝者です。
 
 
また長くなってしまいましたがなんとなくでも参考になれば幸いです。
このテーマも続編でまたいつか綴りたいと思います。